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【作品一覧】詳しい説明は以下にあります。
01.
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幻灯〜蝶の舞〜
2002.01 正絹引染め・ダンマル・挿し友禅・ピース・刺繍
この振袖は、私が成人式に着るためにデザインしたものです。
赤と黒が地色の振袖で、蝶の柄の振袖が着たいという
自分のわがままな思いを実現させました。
友禅、ダンマル、蝋、引き染めなどの技法を使って
います。幻灯の上を、友禅で、色とりどりに染めら
れた蝶が浮遊しているイメージです。
全てにおいてこだわった作品ですが、特に“色”に
こだわり、中でも地色の驚く程鮮やかで引きつけら
れるような“赤”と、友禅で染められた蝶の
スカイブルーや黄色の色にこだわりました。
カラフルな色が楽しめる振袖です。
私が着物のデザインを始める切っ掛けになったもので
ひとつの振袖が出来上がるまで、分業された何十もの
工程をたどり、職人さんのもとに半年近く足を運び
ながら自分がデザインした振袖を完成させました。
伝統を継承する究極の職人技に改めて感動を覚え、
一気に着物制作に引き込まれました。
03.
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STRONG IN THE RAIN
〜雨ニモ負ケズ〜
2002.09 正絹 絽紗合わせ 引染め・型友禅
第2回AMUSEアーティストオーディション出品作品
宮沢 賢治の“雨ニモ負ケズ”の英訳されたものを着物
に染めました。戦後の白黒写真がモチーフです。
買い物をする場所すらも無い、お金も無いのに
小さな男の子が、誰かのために、食べ物を
探し求めカゴを持って歩いている。
大事なものを思い起こさせられた感じがしました。
現在からタイムスリップして男の子を見る感覚で全体に
デジタルっぽくデザインしました。絽と紗の二枚重ねの
型と引き染めで染めた夏の着物です。
04.
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Don't leave...
2002.12 正絹 型友禅
2002 京展入選
第2回AMUSEアーティストオーディション出品作品
何か、大きな忘れ物をしていませんか???
オフィス街や繁華街に出て、人の後ろ姿を写真に撮り
一枚一枚をパソコンに取り入れ、よりリアルにデザイン
していきました。地色をそのまま残し、版を使って
一色で、人物と文字を染めました。
“Don't leave...”“置いていかないで”という意味です。
私はこの着物を見て下さった人、羽織って下さった人に
“置いていかないで…???何を…??”広がるモノクロ
の人達の後ろ姿を見ながら、感じながら自分の中で考
えて頂きたいのです。
自分の夢、誇り、何でもいいのです。小さい頃は自分に
自信いっぱいに、希望や夢をたくさん抱えて、キラキラ
した目でものを見て毎日を過ごしてたのに、大人になる
につれ、現実にぶつかり色々なものに操られながら
とにかく1日をやりすごす忙しい生活をしています。
くり返し、くり返しの当たり前の日常生活の中の
“大きな忘れ物。
”あなたの“忘れ物”は何ですか??
Model:Midori Tanaka
Hair&Makeup:Motoko Kisaka(JUDGE JULES deux )
12.
消えた記憶
2007.05 正絹 第29回日本新工芸展入選
東京、名古屋、京都、北九州 巡回展
裾からのぼかしで炎を表しました。
テーマは、争い。人間が起こした悲しい出来事。
私の世界で、怖く、でも理不尽に命を落とした人々を
どうにか美しく表したい。そう考え制作したレクイエム的作品。
炎の中にはぼんやりとピンクの陰で亡くなった大勢の人々が
煙となって浮かんでいます。裾には普通に生活している人々。
決して綺麗な作品ではなく、込めたものは重たいものです。
詳しい事は、分からなくても、
ぱっとご覧になった人が、怖い。けど綺麗。
と、何かを感じて通り過ぎて貰えると、成功です…。
Model:Midori Tanaka
Hair&Makeup:Motoko Kisaka(JUDGE JULES deux )
15.
“Le vent et la lumière” ~ある彫刻家の最期~
2008.07 正絹
Nadine Ribault
×
Miyuki Tanigawa
今回、フランス人作家、Nadine Ribaultさんの長編小説『Le vent et la lumière/風と光』
からインスピレーションを戴きコラボレートをさせて戴きました。
女性彫刻家の複雑な悲恋の物語です。
彼女と、彼女の小説の内容を想像しながら、とても悩んで制作した結果
このデザインになりました。
悲恋の末の最期を、派手で強烈なインパクトではなく
穏やかで静かだけど、皆の目を離さない様に。
作品の前に足を留めていただけるような、そんなデザインにしたつもりです。
空間を大事にして、西洋風の日本画のような、浮世絵のような。
そんなイメージも含んでいます。